弓の反り直しの依頼でバロックボウがうちに来ました
秘密のテクニックで反りを直しますが
せっかく珍しい弓が来たので
バロックボウとモダンボウの違いを比べてみたいと思います
モダンボウが確立されたのは1800年代
フランス、パリの弓職人のトルテと言う名人がそれまでの弓の短所を補うべく開発しました
それまでの弓って言うのが通称バロックボウです
時代や地域によって色んな形状の物が使用されていたので
これがバロックボウと言う決まった物があるわけでは無いです
2本並べてみると
上がバロックボウです
下のモダンボウは弓道の弓とは逆に反っていますが
このバロックボウは真っ直ぐな感じですね
弓道の弓状に反っているものもあります
長さはバロックボウの方が少し短いですね
手元の方から見ると反り具合の違いがよくわかります
木目のアップです
上のバロックボウに使用されている木は
スネークウッドと言う木です
ニシキヘビ状の模様が出てます
人によっては気持ち悪がられます
下のモダンボウはペルナンブコと言う木ですがスネークウッドほど木目は出ません
先端は
バロックボウはパイク ヘッドと呼ばれる形で日本ではカマス型と言われます
お魚のカマスの頭の形です
モダンボウはアックス ヘッド
斧型です
もうちょっと下から写すと
このバロックボウには何にも無いですが
モダンボウにはチップと呼ばれる白い部品がついていますね
こちらはコントラバス用のバロックボウの写真です
スネークウッドの木目が良く出ています
新幹線みたいでカッコいいから好きです
この弓はフロッグもスネークウッドです
モダンボウは、ほとんどのフロッグが黒檀でできています
以上大まかにバロックとモダンの弓の違いを書きました
興味のある方はいろいろな文献で調べると面白いですよ
ただし、数百年前の事なので正確な事はなかなかわかりません
曖昧な事や、いい加減な事を書いてある物も多いです
日本で言うと江戸時代の話なので仕方がありません
一つの意見として受け取っておいた方がいいですね