指板と言うのは黒檀の板を買って来て
作る事もできますが
それはそれはとても面倒な上に
それをしたからっていい物になるもんでも無いです
なので材料屋さんである程度出来上がった
半既製品を買ってくるのですが
それでも結構手間がかかります
まずはキチッと接着する為に平面を作ります
えんぴつで印を付けて
えんぴつの跡が全て無くなるまで
ひたすら紙やすりの上で擦ります
平面ができたら中心を測って
線を引きます
線を引いた場所を削って
溝をつくります
この溝はいろいろな役目があって
重たい指板の軽量化
接着時の膠の逃げ道
剥がす時に剥がしやすいように
と言う役割りがあります
指板の裏側でネックに接着していない場所は
軽量化の為に削ります
普通は見えない場所なので
上の写真程度までやれば上出来ですが
ピッカピカにしたくなっちゃうので
黒檀黒光りの術を使います
サイドの部分も綺麗に整えて出来上がり
チェロ の指板はバイオリンとちょっと違う仕上げをしなければいけないのですが
実際に弾く人しかわからないだろうなぁ
通常の職人さんより
ずいぶん手間がかかりますが
見えない場所も綺麗にしたくなる性格なんで
いつもやっちゃいます
さてペグを入れる穴ですが
印を付けた所に穴を開けていきます
両サイドに印をしてあるのですが
外さないように慎重に開けます
いきなり太いドリルで開けると木が割れたりかけたりしてしまったりするので
徐々に太いドリルで穴を広げます
ドリルである程度大きくなったら
まずはバイオリン用のリーマーという
角度の付いた道具で穴を広げます
そしてチェロ用のリーマーを使って
規定の大きさまで広げます
メイプルは固い木ですが
以外にパリッと欠けやすいです
慎重に開けてるんで欠けずに綺麗に仕上がりました
ちなみに4つの穴は均等な間隔では無く
2つ目と3つ目の間隔が少し広いんですよ
これはペグを回す時に
手が入りやすくする為です
人類の知恵ですね
指板との接着前にネックももう一度平面を整えます
あまり無いですが
木が捻れたりして平面が崩れている場合があります
そして指板と接着
でも今回の接着は仮止め
ネックの角度や高さとかを測る為に取り付けるだけなので
膠は全面に付けずにちょんちょんと数カ所
付けているだけです
ネックの裏側や指板との接着面を整えています
指板との接着面は段差が無い様に
指で確認しながら整えていきます
これで指板の仮接着が完了
この後本体に取り付けたら
いよいよチェロ らしくなりますよ