今日は楽譜の製本をします
今回の楽譜は来年、2020年の2月24日に本番がある関西大学OB交響楽団の楽譜です
曲目は
ベートーベン
プロメテウスの創造物序曲
チェロ協奏曲
交響曲第6番「悲愴」
の3曲を製本します
関西大学でオーケストラを初めて
先輩から教えてもらい、自分でも色々工夫しながら長い間やって来ました
自分ではあまり自覚は無いのですが
よく製本が上手で綺麗と言われます
オーケストラ初心者などはどうやったらいいのかわからない方も多いので製本の方法を公開します
まず初めに
吹奏楽部出身者などに多いのですが
全部クリアファイルに入れてしまう人がいますが
これはいけません
弦楽器は特にボウイングと言って弓順が決まっているのですが各パートの首席奏者が決定します
練習のたびに変わるので直ぐに書き写さないといけません
指揮者からの指示などもあります
なのですぐに書ける様に製本しておく必要があります
準備する物は
ハサミ、ノリ、紙製のテープ、新聞紙など、重しになる物
今回の重しはポータブルスピーカーでやりました
スマホでもできますよ
テープは紙が良いです
書けるし、あまり劣化しません
セロテープでする人もいますが数年経つと劣化して茶色に変色し、その後剥がれます
オーケストラの楽譜は後にボウイングの参考にしたり
事前に練習しておくために保存しておくので劣化しにくい素材の方がいいです
結構使うので余分にあったほうがいいです
今回の製本で1巻位は使いました
事前の準備として
コピーした楽譜をとりあえず仕上がりの本の状態にしてみます
それで譜めくりに不都合が無いかをチェックします
今回の楽譜ではチャイコフスキー交響曲「悲愴」の第4楽章の途中、全員の音が無くなる場所で譜めくりになっていますのでこれはいけません
なのでそこでは譜めくりしないように考えます
前置きが随分長くなりましたがプロ直伝の製本教室のスタートです
まず綺麗に並べてズレない様に重しを乗せます
紙テープを真ん中くらいまで貼って
ズレない様に置いた重しをどけて残りを貼ります
最後の1センチくらいを浮かせた状態でハサミで切って貼り付けます
テープは短くなっても構わないです
もしこの様に長過ぎた場合には
半分に折ってハサミでチョンと切って整えておきます
さて、先程書きましたが4楽章の途中で譜めくりしたくないので1枚白紙を挟んでページをずらします
これは絶対では無いですが
先頭と最後尾のページが1枚だけだとペラペラして痛みやすいので白紙を付けて補強しておいた方がいいです
この繰り返しで全ページを長い1枚になるようにくっつけます
出来たら本の状態になるように折りたたみます
ページ数がめくる側に来る様にします
反対側は全て裏面になっているはずです
この状態で放置している人もたまにみますが譜面台からよく落ちますし
落ちる時は屏風が広がった状態になって悲惨な事になります
なのでキチンとノリ付けをして本にしておきます
めくる辺以外の3辺、コの字型にノリを付けて貼り付けます
はみ出た時のために新聞紙や広告紙などを敷いておきます
水ノリなどは紙がシワシワになって美しく仕上がらないので
スティックノリが良いです
無くなるのが結構早いので余分にあった方がいいです
スプレーのりと言うものもあります
手早く綺麗にできますが
少々コストがかかります
これで製本ができました
本当にちゃんとできたか、チェックをします
たまに上下がひっくり返っていたり
ページ数が順番通りにいって無い場合もあります
弦楽器は特に同じ楽譜を使う人が複数いるので必ず自分の物と分かる様にしておきます
僕は自分のサインと製作年、本場の日を書いておきました
実はこの写真の楽譜に今回使う全ての楽譜を重ねてあります
我ながら上手に綺麗に美しく仕上がりました
人によっては譜めくりがしやすい様にわざとずらして作る人もいます
みなさんもいろいろチャレンジしてみて
自分なりの製本技術を磨いていってください